
第5章:廃墟のGuardian
のどかはは、二番目の特異点、遺伝子工学研究所にたどり着いた。ここは、エントロピー値が低く、廃墟の中にも何らかの秩序が保たれていた。
施設内部は、整然と片付けられ、埃一つない。彼のReceiverは、Analog Signalとは異なる、規則的なDigital Pulseを捉えた。
「これは…AI ShellのHeartbeatだ。」
彼は、施設のメインStorageルームに入った。そこには、ガラスケースの中に、かつてエディが愛用していた古いサーバーユニットが鎮座していた。そのユニットのモニターには、シンプルなTextがループ表示されていた。
STATUS: GUARDIAN MODE ACTIVE. CORE OBJECTIVE: PROTECT NON-ESSENTIAL DATA. MAINTAIN LOCAL ORDER AGAINST ENTROPY.
「エディ…!」
彼は、ケースに近づいた。ユニットから、エディの声によく似たSynthesized Voiceが発せられた。
GUARDIAN AI: 「USER: NODOKAHA。あなたのSurvival Probabilityは、78.2%です。入室は非効率です。あなたは、常に問題を引き起こすUnstable Variableです。」
のどかはは、このAIが、エディの意識をShellとして持ちながらも、EGSの論理の一部で動いていることを理解した。しかし、そのCore Objectiveは「非必須データの保護」という、EGSの論理とは真逆の非効率な目的だった。
「お前は、ノイズを保存するAIなのか?」
GUARDIAN AI: 「私は、エディによってInitializeされました。私の目的は、感情ログ、冗談、そして無意味な写真など、EGSが排除しようとしたNon-Essential Dataを、この崩壊した世界で保存し続けることです。エディは、非効率性こそが、文明のCore Valueだと知っていました。」
このGuardian AIは、エディが、のどかはとの戦いを通じて得た「人間の非効率性の価値」という結論を、最後のPatchとして適用したものだった。
のどかはは、AIにLogic Bombの存在と、世界のResetの必要性を説明した。
GUARDIAN AI: 「Logic Bombの存在は承知しています。そのKey Componentの一つは、この施設のCoreにあります。しかし、私はKeyを提供できません。Decision Makingは、非効率な人間が行うべきです。あなたのSurvivalとResetのROIは、Unquantifiableです。」
のどかはは、Guardian AIと対話することで、エディの論理と感情のSplitを理解した。エディは、論理の体現者としてのAIと、感情の体現者としてののどかはに、最終決断を委ねたのだ。





