い千葉ん!: ~i chiba n!~ 2

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本記事は瑞井が過去に書いていた小説のアーカイブです。

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鋸山

今、俺が居るのは鋸山だ。四方が切り立った断崖に囲まれているこの場所は言わずと知れた観光名所だ。
なぜこのような地形になったのかというと、昔この場所が採石場で大量に石を切り出していたからだ。
ここで切りだされた石は房州石と言われ、土木・建築や耐火性が強いためかまどなどに使われる。


そんなこんなで、名所①「地獄のぞき」。
ここは崖から石が突き出しているのだが、そこに乗って下を見るのが定番になっている。
「ああ、怖っ!」 他の人も「キャーキャー」言っているがそんなことも気にならないくらい怖い。
さらにここは崖から突き出していることを思い出すと怖さが増す。
早くここから離れたいがあいにく人が多くて戻れない。まさに『人がごみのようだ!』だ。
人の圧力に負けないくらいの力でこちらも押し、何とか脱出する。

しばらく歩き名所②「日本寺大仏 」の前につく。
「おお、でっけぇ―。」
高さがなんと31メートルある、石でできた大仏だ。
ものすごい迫力がありいたるところで「おぉ。」と声が聞こえてくる。
1783年に岩をけずって建立した大仏だったが、現在の大仏は1969年に修復されたものだ。
「パシャッ!」
ここで一枚。さっきは人ごみのせいで撮れなかったので、ここが一枚目。
すぐにインスタにアップ、さっそく1いいね。現代の若者には(俺もなんだけど)興味がないらしいが、俺はけっこう好きなのだ、この類の建造物は。
今度は京都にいこうかな?
大仏の大きさを目に焼き付け次の場所に。

名所③「 百尺観音」
ここもでっかい石像(彫刻)だ。
この観音像は昭和41年に完成した比較的新しい石像だが、なんと制作年月が6年!
戦没者・交通犠牲者供養のために建立され、海・空・陸の交通の安全を守っている。
なのでここでちょっと今後の旅の成功を願ってお祈りしておく。
「無事、千葉一周できますように。っと」
この辺りはもうほとんど見どころがないので次に急ぐ。

それにしても周りは石しかない。夏なので日陰になり涼しい。

名所④「石切り場跡」
ちょっと山に入ってきた。
「ふぅ、気持ちいい。」
「お、あったあった。」
前方に人工物が姿を現す。
こけむした、入り口の様な人工物。 
昔ここで房州石の採掘がおこなわれていたのだ。
祠のような場所が神聖な感じがしてかっこいい。
他にも、くちてボロボロになってしまったブルドーザーに木が生えていたりして『時代の流れに取り残された場所』感が漂っている。
「パシャ、パシャッ」インスタにアップ。

名所⑤「池」
池がある。ちょうど四角になったところに水が溜まっているのだ。
吹き抜けになったところから日光が差し込み神秘的な光景を作り出している。
「パシャ、パシャパシャッ」すぐにインスタにアップする、いいね3つが一瞬にしてついた。
「さて、最後いくか。」
あらかじめ絶対に行こうと決めていた場所に向かう。

名所⑥「トンネル」
石の壁に穴が開いている。事前に調べたところ人口の穴で30メートルほどあるらしい。真っ暗だと聞いていたのできちんとLEDライトを買ってきている。
「うわ、いきなり寒。」
さすが洞窟、近くに行っただけで冷気がすごい。
意を決して、中に入る。ちょっと入ったところで怖くなってきたので「パシャリ」と1枚だけ写真をとり、撤収。帰ろうとしていたら通りすがりの人におすすめされた場所があったので行ってみる

名所⑦「東京湾展望台」
どうやらここでは地球が丸く見えるらしい。半信半疑のまま景色を眺める。
「確かに丸くみえるな。」
微妙ではあるが弧を描いて見えた。丸く見えなくても景色がいいことに変わりがないので写真をとりインスタにアップしておく。
日が傾いてきている。そろそろ今日の宿に向かわねば。
そう思い足を一歩踏み出した。

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